2012年 10月 06日
ありがとう、ミッキー
国内飼育のオスのホッキョクグマでは最高齢の28歳でした。
私がミッキーに会ったのは、2011年11月12日、SAGA(アジア・アフリカに生きる大型類人猿を支援する集い)14が熊本市動植物園で開催された時でした。
SAGA14の1日目である12日は、SAGA終了後にミッキーに会いに行ったので、もう夕方になり、ミッキーと飼育員さんによるガイド(ミッキーのドボン)は終わりかけでした。
ミッキーは飼育員さんを目で追い、飼育員さんもミッキーに話しかけ、1人と1頭の心は通じているように見えました。
ガイドが終わり他にお客さんがいなくなりましたが、飼育員さんはミッキーと目で会話しながら、私たちにミッキーのことをいろいろと教えてくださいました。
また、飼育員さんが動物園に来る子供たちのために手作りされている「消しゴムはんこ」のことも教えてくださり、私たちは一応(?)大人にもかかわらず、消しゴムはんこグッズとミッキーの写真をラミネート加工した小さなカードをいただきました。それらは思い出とともにとても大切な宝物になっています。
その時のミッキーの写真です。飼育員さんを見つめるつぶらな瞳と大きな黒い鼻が可愛いです。
ドボンを終え、リラックスしているようでした。それとも大きな背中で大好きな飼育員さんに何か言っていたのでしょうか。
SAGA14の2日目である13日は、午後から熊本サンクチュアリへのエクスカーションを控えていたため、午前の部が始まる前の1時間ぐらいしか時間がありませんでした。
ミッキーは、気持ち良さそうに寝ていました。口元がとても可愛らしいです。爪が白いですね。
ミッキーはおじいちゃん熊には見えない、生き生きとした若々しさと可愛らしさを持っていました。
ミッキーが飼育員さんを見つめるまなざしには信頼が、飼育員さんがミッキーを見つめるまなざしには愛情が、溢れているように私には見えました。
この日以来、私はミッキーのことが気になり、いろいろな方のブログなどでミッキーを探すようになりました。
それらのブログには、ミッキーのこととともに、飼育員さんのことが書いてあることもよくありました。
飼育員さんがどれほどミッキーを愛していらっしゃったか、皆さんによく伝わっているようで、そのことがミッキーファンを幸せな気持ちにしてくれていたことは間違いないと思います。
私も1度お会いしただけで、ミッキーが愛されていることを感じ、とても幸せな気持ちになりましたから。
動物園の動物は、自然とは異なる、制限された暮らしをしています。
自然とは違う環境下にあることが、幸せなのか不幸なのか、それはわかりません。
ただ、私は、ミッキーのように、最期まで大好きな人に愛されて愛されて天国にいけることは、やっぱり幸せだと思うのです。
大好きで信頼している相手がそばにいて見守ってくれているという安心感は、きっと苦しみや痛みを和らげてくれたと思います。そして、愛に包まれていれば、悲しみや恐怖がなく、天国へと旅立てたのではないかなと思います。
飼育員さんは、ホッキョクグマのガイドを「ミッキーとの二人三脚」と表現しておられました。
この言葉に、すべてが詰まっていますよね。飼育員さんがどんなにミッキーを愛し、心が通じ合っていらっしゃったかが。
人間とは違う動物にも深い愛や尊ぶ気持ちは必ず伝わるということを、ミッキーと飼育員さんは教えてくださいました。
ミッキーのことはずっと忘れません。
ミッキー、ありがとう。
by chappo10
| 2012-10-06 22:26
| 熊本市動植物園